真夜中を話そうとするとき血液のせいで濁音が混じる/ホロウ・シカエルボク
 


毛細血管が狂気と絡み合って血流は金属的な悲鳴を上げながら全身を駆け巡る、オオ、産まれ持った宿命を受け入れよ、産まれ持った脈動を受け入れよと…あらゆる肉体組織の軋む音が俺のリズムだ、経年劣化した家庭菜園用のホースがあちこちから水を噴出させるみたいに血管は綻び続け、歩くたびに筋肉の内側に溜まった血が揺らぐのを感じる、少しでも吸い上げようと鼻を啜るせいで鼻腔はいつでも血塗れさ、俺の話している言葉がたったひとつの風景について話しているなんて考えないで欲しい、もちろん君がそういった解釈について少しでも長けているならだけど―書き殴られた詩はこの俺の血渋木だ、もちろんそれは俺だけに限ったことではない、俺
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