「真珠の希い」 七首/もっぷ
 
人よりも鳥がよかった身投げして少女は眠るアコヤガイの夜


シャンデリア灯して暮らす深海の秘密を護るための灯台


サカナ族だけが持ってる声帯で唱えると開く海底の門


竜宮に棲む緑髪と雪の肌あかい瞳の人魚はあなた


いつかしら真珠の母となっていた貝の歎きの歌が聴こえる


海深く忘れ去られた難破船ちろちろひかる骨の残念


海の庭ここは違うと悟り切り真珠は泳ぐ明日へ明日へと


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