風の化石 1P/10P/翼がはえた猫
でありながらも、液体なのだ
流れていく
雲も、大地も、空も、風も、川も
揺らめいて
まだ見ぬ明日へと手を伸ばす
緩急する時の流れ
機械の時計より不正確で
より正確な生体時計
悠久たる時の中を
流れいく大地は
いずれ海へと還る
【雨墜ちて】
にわかに湿りだす岩肌
毛繕いする猫
枯れゆく雑草は幽かに匂う
雲の片鱗を待ちわびて
重味を帯び始めた空気
循環する透明な壁
巡る、廻る、環る
やがて白の大陸の鱗は
は
ら
り
剥がれ
黒の大地へと降り立つ
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