vintage /いびつな字で書かれたノート/
 

もし誰かがその年季の入ったシャツを指差してボロ雑巾だと笑ったとしても、笑い返して「いやこれはヴィンテージだよ」って言えるくらいの自尊心は保っていたい。

僕が白紙のままそれを放っておけば、きっと誰かが予定帳やメモ書きなんかに使ったりして、そんな風に有意義に使われた方ノートも幸せなのだろう。

それでも僕はあえてため息のあとについて出た本音の吐露をインクで白い紙に落とす。

僕の作品を読んだある人は言う
そんなのはただのボロ雑巾でしかないのだと。

そんな時、僕は笑ってこう言い返すのだ。

これは世界に2枚とない僕だけの染みがついたヴィンテージ作品なのだと。
戻る   Point(3)