時は来たれり/坂本瞳子
 
貧相な身体の中の
脆弱な心が
翼を拡げて飛び立とうとしている

行かせてしまって
いいのだろうか

なにもかもを解き放つためならば

趾でもて雁字搦めにして
身動き取れないようにするべきか
なにも救われないが
なにも脅かされることもない

私はここでこうして見ていよう
憎しみも喜びも
すべてを受け流すため
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