雪は花と呼ぶ/
這 いずる
雪は宙に浮かんで
ちらちらと降ちるそれが花の虚像と重なって
想像で遊ぶ私を見つめていた
中空から見下ろす
あなた、ずいぶん色褪せているのね、なんて
悲しげに降る雪は
私を寂しさだと言う
そんな生まれつきをして
空ばかり頭に残しているから
蒼穹ばかりの頭が雲って雪が降った
それはずいぶん見ていない青い空の雪だった
それで色が付かないのだろうか
私は
ただ、雪を、花と呼ぶ
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