Tokyo Blue/もっぷ
泣きたいほど優しいひとがいて
あるいは いま たったいま
しばらくこのままでいたい
神さまに祈る 明かすと
思春期も反抗期もなかった
そのせいか ふいによぎっても
いつも掴めずに未知のままの感情は
きっとどこか遠くでほどかれる けれど
夕べも西の空に金星を見た
すがるように手を振れば
惑星が瞬く わたしの
四季の茜に重なる雁行の
あの頃に 六歳の背丈の日日に
失う前にほしかった 体温のある理解
仰ぐ Tokyo Blue には一筋の
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