ノート(機械)/
木立 悟
中途半端に宙に浮く機械が
何度も何度も夢に出てくる
膝の高さくらいにしか
到くことのない不安定な円柱
追手から逃れ
火事から離れ
大学構内を飛び回り
だがある日突然 見なくなってしまった
もう一度乗りたいのだが
いつになるかわからない
わからないまま
もう数年経ってしまった
音も色も無い布を帯び
時おり地面をこすりながら
低く低く浮く不器用なかたちに
再び会える日を想いつづける
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