語る死す、語る生まれる/kaz.
方陣は裂け、語が流産する」
「生まれたのか、そいつは」
「死んだのか」
「いいや、食われたのさ」
「聞いていたのか」
「いいや、開いていたのさ、口が」
「奴の最期の一言はこうだ。」
『ぼくは、何かを伝えたい』
『ただ語りたいだけ』
『ぼくは、何を伝えるべきか知らない』
『語るべきことがないと語りたい』
『ぼくは、何を伝えるべきか知らないということを伝えたい』
『語るべきことがないと語ることもない』
『何を伝えるべきか知らないということを伝えたいと伝えるべきかどうかを知らないということを……ぼくは、語りたいと語ることもないと語るべきということを……』
「知ることと語ること
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