語る死す、語る生まれる/kaz.
118/1/22
今日『紙の名は。』を見た。紙には、名前がない。鉛しかない時代の物語で、鉛を削って訛りを記録するのに紙を使っていたはずが、紙に名前がないということが理由でできなくなっている。窓の外には合衆国国旗が舞える。いや? よく見ると日の丸と融合して、世界国家になっている。今日も彗星が降ってくる。あの彗星の分裂が紙の名前を奪い取り、紙の民の一員であったサルバドール・ダリを打ち倒し、『パン屋再襲撃』が道行く本屋の文庫本として出され、電子書籍はもっぱら人工栽培された人工知能の生命体であるキュリアス・ライバーが担っている。「そんなことを書いている新幹線は雪のために遅れて、空飛ぶバイクの市場占有率が
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