Fw:/末下りょう
 
終わる今日─

退屈な日でした
蒸れた空ばかりがずっとつづいていて
胸もとをぱたぱたさせながら
ヨーヨーを垂らし
駄菓子屋のアイスボックスの底から
メロン味をたぐり寄せ
南極の怪獣を想像しました

しらない民家の敷地には
黄ばんだ鶏が長い紐に繋がれており
ごつごつした石が所どころ剥きだす地を
ひっきりなしに跳びはね
いい加減な停めかたの軽自動車の
紺色のボンネットはベコッていました

手に垂れたアイスを地蔵のよだれ掛けで拭き
転んだ怪我の大きさを
家に帰って弟と競いまして
晩飯にありつけるまで雑魚寝に耽り
肩をゆすって汚なさを帯びると
世界を逆撫でする餌
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