小さなやつらの大きな終わり/ホロウ・シカエルボク
あたしいつかあの男を殺すからね、と、いつものようにカウンターの外側でカクテルを何杯も飲み干し、口が軽くなったネシナ・エミリーはお決まりのその言葉を吐き捨てるように言うのだった、もしも近くで警察官が飲んでいたとしたらこっそり耳をそばだてるのではないかと思えるほどのリアリティで―俺はカウンターの内側で彼女がすでに注文済みの彼女の次の一杯のためにライムを半分に切りながら、出来るだけどんな感情も込めずにうんうんと頷くのだった、本当に機嫌が悪い時にはそんな頷き方にも因縁をつけてくるときがあるが、今日の御機嫌はそれほどでもないみたいだった、そんなにムカつくんなら仕事変えなよ、とそこそこの機嫌の時用のセ
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