さぞ/這 いずる
冬の花火が上がり
白くなった息を吐いて手を擦り合わせている
誰と見ようが一緒でしょうけど
私の凸凹が火に浮かび上がったようで
それは孤独、というものだった
感情の震えが体につたい
酷い瘧になってしまって
零れた言葉ひらひら
誰に言おうが消えることはないそれはきちんと残って舞い落ちて足を埋め
花火は夜からちゃんと消えていく
そう楽しんでいるのでしょう
給料明細の数字の向こうに透ける虚無を友達に
生きるために金を使い
生きるために金を稼ぎ
繰り返す回路を永遠のものと思い込んで
自分の中を自分だけで巡る人生は
さぞ
それは嬉しいのでしょう
こうやってフードコートでお昼を食べて
お腹を膨らませていることは
さぞ
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