光の街/末下りょう
みが破り捨てた夜を 喧騒が彩る
傷を隠さないきみの嘘ならなんだって構わない
もっと聞かせてほしい
同じようで同じじゃない同じような街の
光のジオラマの下で
なにかをただしたつもりになって
なにもかもを見誤っていた
身を切るように冷たい風や足に飛ばされてく空き缶が
無条件な愛の行為のように
なにかを託された車輪のように地面を転げていく
流れる人のなかにのまれるぼくを
忘れるにつれてきみはきみを愛せていく
在りもしない数の足音だけを街に響かす
つかの間の切分音
きみは街のネオンのなかで成長する
いつかみえなくなるまで
光るきみだけを見ていたい
あふれるネオンに託したその愛の行方を
鮮やかなネオンサインに求めたすべてを
光の海原からこぼれるほどの
きみだけの輝きを
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