おとなしい人/黒髪
うであるか
奇跡を翼に乗せて悠々と飛行するものも
今も放たれた矢のように
全てが進まないかのように見える
山の頂上で吹き付ける雪
終わりを告げる季節の中での
雪だるまのおもかげ
夢は血液で温められている
死のイメージと感触は無駄とはいえない
若くして完全な世界を与えられ
揺らいだ自我がもう一度固まるときに
手をかざせば長らく死んでいた心が
世の暗黒のすみずみまで完全に写し取って
捨てるかのようだ
崩れないような意志と
頑固である男性
柔軟である女性
おとなしい人よいつもの朝を
無限に広がる自由を
遠くにあって思うだけ思え
あなたのような雲の気分
柔らかな希望を胸に吸い込んで
どんなに熱いハートを持っているの
僕は想像するけれど
正しいなんて形の気持ちを望んでは失敗した
自分から人へ信念でなく勇気を
僕が生きている愛の咲く世界
繰り返し思う未来に美しいものが待っている
正しい手続きを経て部屋の外の声を聞き
心の影に光を当てて
おとなしい人が持つ心を素晴らしいと思う
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