普遍の愛/這 いずる
これを普遍の景色としよう
よくありがちな光景だと
そしてここに抱かれる心までも
普遍だと判断されそうになる
自分の息を数え駅のホームで
あなたの訪れをじっと待ちながら
通る電車の影が落ちては過ぎ落ちては過ぎ
陰影を切り出す光が
印象的に私を浮かび上がらせる
孤独な人型、と
人に抱かせる私の凸凹
私を凹にも凸にもする
これが愛だというのなら
こんな暇なことはない
時間を徒に使って
つまらない、と思って待っている
そう唾棄する私の自尊心だけが
この想いを少し特別なものとして
少しの寂しさだけが私を留めている
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