私が求めていたものは/番田 
 

予定のないいつもの休日
私は友人の女の子のいる店へ歩いた
街の雑多な装飾の通りをぼんやりとまっすぐに歩いた
新宿の ビームスを抜けて
あてもない 休日を 過ごす人の群れの中を


私も年を取ったけれどもどこにいくのだろう
白いカウンター越しに 話された 幾つかの言葉を思い出す
彼女は昔の仕事仲間だったけれど
もう今は何も接点は無かった
遠ざかっていく記憶を取り戻すかのような言葉だけが響いていた


この関係は 何か意味をなすのだろうかと
ときどき 考えるけれど
消えてしまってもかまわない
そんななんの意味もない感情をいだかされながら
私は店を出た


帰りの電車で
誰もがそうするように過ぎていく風景を見ていた
誰も何も言葉を発することのない日曜の夕方
彼女は私と話していて面白かったのだろうかと
そのことばかりが気になった


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