ゆくえ とどろき/木立 悟
大陸が大陸を噛み砕き
顎から瀧が流れ落ちる
仰向けの空の背中に
海の光が照り返す
鳥は数字を紡いでは落とし
緑の輪 緑の輪
羊の喉と繋がる空
ゆうるりと廻る虹の柱
手紙 手紙
無数の手紙に沈む羽
空は青く
文字は白く
独白だけが歩む径
轟々と鳴る光の径
ついさっきまで無口な死者が
堰を切ったように語り出す径
雪と羽はゆうるりと
約束事を埋めてゆく
幼い姫のための冠
いつか合わなくなる冠
吹雪の上はまた吹雪
星は爪先立ちで舞い
涙の奥の扉に映る
空の背中をうたいつづける
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