寒道行進/藤山 誠
 
遠くの山頭 雪かぶり
溶ける気配の 無いうちは
家路の途中の その道も
一人歩きを 楽しんで

結露の窓辺に 気付かずに
雪の光に 照らされて
数多の本を 読み捨てて
溢れる知識は 何の為

折れた枯れ枝 踏みしめて
虫も這い出ぬ 冬の道
枷になるなら 独歩にて
知らぬものなら 暴くまで

遠くの山頭 雪かぶり
まだ溶けるなと 願いつつ
行けど進めど あても無く
白雪の上の 靴の跡
戻る   Point(0)