朝が死んだ/wakaba
 
朝が死んでしまった日の夜
私は涙を流しながら台所で玉ねぎをむいていた

どうしてこんなことになってしまったのか
ただ真面目に生きてきただけなのに
どうしてこんな目にあわなければいけないのか

頭の中ではそればかりが溢れて決壊し
後ろ向きな言葉が心の底に流れこみ
呼吸がうまくできず狂ってしまいそうだ

嫌なことばかりが頭をよぎる
でたらめばかりが気にさわる

遠くで閉まるドアの音がやかましい
人のだらしないところが許せない

何度も何度も手を洗いたくなる
手についたヌメヌメが耐えられない

玉ねぎの可食部分が減り続ける
三角コーナーのゴミが増え続ける


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