グラン・ギニョール(ただし観客が皆無の)/ホロウ・シカエルボク
なかった、動けない、ときみは考える、だけどそれは当たり前のことなのだ、きみはすべてを封じられている、だが、ときみはさらに考える、これほどの徹底的な状況においても、おれの思考は奪われなかった、呼吸も出来ない状況の中で、おれはこうして思考している…きみはその世界を自分で創り出したものだと仮定してみた、もの静かな大学生が好んで読むコミックみたいなやつさ、でもそれはきみにとってなんの説得力もなかった、なぜならきみはそんな世界を望んではいないからだ(それは至極当然のことだ、だれもそんなところに飲み込まれることなど望んでなんかいないだろう)ならばそれは少なくとも、きみの意識下のことではない…では潜在意識下のこ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)