君を好きでいること/shin
 
君を愛していないかというと
それは嘘になるかもしれない

10年も前だったなら、
きっと100万回の恋に堕ちたかもしれない
10年も後だったなら、
すぐにでもひとつになれたかもしれない
ただ、どちらの時間もあまりに遠く、
隔たりがあって、
僕はただ“今”という瞬間から抜け出すことは
到底無理なのかもしれない

この“今”という世界が
僕が生きている世界

数十億の人たちが同時に共有していて、
どこまでも無限に広がる時間

それぞれの“今”があって
本当は頑丈な扉が固く閉ざされている
それぞれの世界

本当の奇跡が起こったとき
無限の世界が有限に感じられ
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