バランスと勢い / ある女の子篇/末下りょう
たわむれに足を
月あかりの水に埋めて
こがれて こがして
怖くてしわくちゃになったスカートさらに強く掴んで
寄る辺ない
やらせない女の子
インスタジェニックな戦記に酔いしれて
甘いブルーベリーレアカラシニコフ写すふりして
白いスカートめくって
黒いストローくわえて
ピュークするジュースすする
オーロラのカロリー
青白い太股さすり
淋しさ、ゆえにわれ在り )
儚さ、ゆえにわれ茨とブラックベリーの茂みを駆け抜け蝶みたくはらひら誘いこまれたり戦場にて崩れゆく洋館の庭
残党たちの目をあざやかにすりぬけて
木陰で死にまねして死につづけて興奮してる
やるせない
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