降り積もったばかりの雪に覆われた萱野高原には/金槌海豚
コココ、ココ、ココココ
目を開けると
岳樺木立の枝の上
ココ、コココ、ココ、ココココ
私のことなど気にも留めず
枝を叩くアカゲラよ
ココ、コココ、ココ、ココココ
あなたはこの萱野高原で
食い、寝、暮らす住人で
ココ、コココ、ココ、ココココ
私はあなたの招かざる
客でもなければ友でもない
ココ、コココ、ココ、ココココ
だからたとえ私が
近寄っても立ち去ったとしても
ココ、コココ、ココ、ココココ
私のことなど気にも留めず
枝を叩くアカゲラよ
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