混沌を解いたところで簡単な現象にはならない/ホロウ・シカエルボク
 


壁掛け時計の針が示す時間を鵜呑みにする前にこめかみに鉛筆を突き立てた、そう、それはまさにくたばる一歩手前のギリギリのところだったよ、ついでに言っておくけどそれは二三時を少し過ぎたところだった、リアルかおふざけか、窓の外の表通りじゃ甲高い悲鳴が何度も聞こえて―あとで聞いたところじゃそれはタチの悪い酔っ払いが近くの大橋の下で全裸になって叫んでいたらしいよ、なんでも「肌の隅々まで本に棲む白い虫が這いずり回ってる」って言ってたとか―警察もあれこれ疑って、そいつは丸一日拘束されたそうだ、結局のところ「酔ってる」って以外どんなことも判らなかったらしいけどね―そんなことはどうでもいい…実際のところ、俺は
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