ダンスバスケ〜崩壊の序曲〜ファウスト/Terry
 
三強が田森君へかかりに入ったが、田森君じゃボールを取られるから長介が応援に
来た。トライアングルの形を取った達夫三強は、まず達夫が田森君へパスを要求し、受け取ったボールを長介へチェストバウンズパスで回し、背が高い長介は高らかにレイアップシュートを決めた。
 防衛側と言うと、達夫がマークしていた巌下さんがボールを受け取ると、躊躇してい
たが、
「打っていい」
 正ちゃんから声をかけられて、そのシュートは決まった。達夫は心の中で、こうなるんだよ、とあれほどまで徹底していた得点さばきを、自らのルールでずたずたにした。
 達夫はフリースローラインの近くに立っていた。周りには敵がいない。田森君が、
?あんたも決めろ?
 達夫にパスを出した。頑なに改定ルールを守る達夫は、狙いをゴールに定めなかった。ワンハンドジャンプシュートをして、ボールがボードから跳ね返り、やや左にゴールポストから跳ね、正ちゃんがリバウンドに走った。達夫は正ちゃんの右手を足払い、左手で長介へボールを回した。ミリ単位のシュートでないとこうはならない。ここまで精密な腕が災いを招いた。改定ルールは続く。
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