車窓/這 いずる
 
僕はワンカップを片手に
車窓に体寄せていた

電車の外は雨らしく
ぱたぱたと打ち付ける雫が
声なき声の模様を描き僕を飾る

ざわめきの静寂に叫びを埋めて
引きずる体の亀裂を紐で縛って
進退惑う旅路の果て
惑う目線の行き先が
写り込む自分の姿に定まり

その虚ろ

虚ろが見返している
戻る   Point(7)