引き算の挙句、最後に記入される解答となるために/ホロウ・シカエルボク
 
を歌っていたころのビートルズのサウンドさ、子供たちにしてみればそれは、誰かを殺すときにこれ以上ないという音楽だったんだ―「次はどこに行く?」助手席の少女が言う、「隣り街さ」ドライバーの少年が答える「そこに親戚が居る」「午前中に山に身を隠して、日没とともに始めよう」「いいわ」少女はにっこりと笑う「素敵な夜になりそうね」「もちさ」少年はアクセルを踏み込む、激しい回転音を上げて舗装の剥げかけたアスファルトの上でタイヤが鳴き声を上げる、子供たちはいつだって未来なんか欲しがっていない、いまどこに行くか、いま何をするか―したいかだ、彼らは導かれることを好まない、彼らは押さえつけられることを好まない、いつだって
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