不器用な縫合/葉月 祐
 


痛む目頭を押さえ
溢れそうな感情を抑えている

救いは目に入らない
意識が捕らえたがるのは


  真面目に選ぶ事も無い悲しみや焦り


何故?
どうして、
繰り返される二つの言葉は
わたしを解放する気は無い

ほっといてよ、もう十分だから
意識に絡み付かないで
構わないで お願いだから


  乱れる呼吸の行く先は 深い洞穴のような    夜


狭い部屋を広く感じて 物に囲まれてもひとりきり
広い部屋にひとりで居るよりも孤独、病のような   孤独、


ひりつく両目を震える手で覆い
眠りたかった夜を見送る

  今日ザックリ切
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