不器用な縫合/葉月 祐
痛む目頭を押さえ
溢れそうな感情を抑えている
救いは目に入らない
意識が捕らえたがるのは
真面目に選ぶ事も無い悲しみや焦り
何故?
どうして、
繰り返される二つの言葉は
わたしを解放する気は無い
ほっといてよ、もう十分だから
意識に絡み付かないで
構わないで お願いだから
乱れる呼吸の行く先は 深い洞穴のような 夜
狭い部屋を広く感じて 物に囲まれてもひとりきり
広い部屋にひとりで居るよりも孤独、病のような 孤独、
ひりつく両目を震える手で覆い
眠りたかった夜を見送る
今日ザックリ切
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)