私の手/坂本瞳子
 
夢に描いた箱庭は
とても脆く
不均衡に過ごす幸せを
それと実感することなく

華を掻きむしり
火を放つことを望んだのは
ほかの誰でもない
私自身

誰か別の人に
壊されてしまうくらいなら
いっそ自ら破壊してしまおう
なにもかも
この心の底に
押し込めてしまうよに

枯れ果てた
涙と嗚咽と
あの日見た夢は幻
いや夢現
美しい想い出に
変えたのはこの手
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