そうしてぼくはランナーとして/天野茂典
 
いが
  父という伴走者がいて
  賞を取るより
  愛を獲得することに意味があったのだと思う
  
  いまも心の中でこのレースはつづいている
  父と子のバラードだ
  陸上未経験者の父とランナー志望のぼくとの戦いでもあったのだ


  いま父は街が見渡せる高台の墓地で
  静かに眠っている 58歳だった



            2005・03・05
  

  











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