マジックミラー/少年(しょーや)
 

本と話をしている女性が居た。

約束の時間まではまだ時間がありあまってる。
暇つぶしに何となくの気まぐれで入ったお店で、段ボールにトゲトゲした字で書かれた横書きの「大森靖子」の文字がなぜか縦向きに飾られているコーナーを見つけた。
そこには最果タヒと大森靖子の共作著書「かけがえのないマグマ」があった。
店内をゆっくり1周してからまた戻ってこようとその時はすぐにその場から離れた。
わりかし広いそのお店を1時間ほど物色してからまた大森靖子コーナーに戻ってきた。

そこに、本と話をしている女性が居た。

最初は誰かと電話でもしているのかと思った。
でも電話を耳に当てていな
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