生活/葉leaf
 
生活のどんな些細な道行きにも
液状化した死者の本質が流れている
俗なる生活が聖なる死者と
次元を超えて互いを平均しようとする
人は墓参や供養という形で
聖と俗との架け橋を往来する
人はまたおのれの過去という死者を抱き
聖化された過去を結晶化するため
過去を整序し表現したりする
人はいつも意識の底で死者に侵されていて
死者とおのれとの間に
きれいな形象を整えることでしか
死者を鎮めることができない

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