降誕の夜/服部 剛
 
聖夜――教会に集う私たちは
蝋燭(ろうそく)の火を一人、二人……と増やしてゆく

私たちは探している
暗闇に射す、一条のひかりを
私たちは待っている
永遠(とわ)に消えない、只一つの火を

今夜、もう一人の誰かが
自らの内に、生まれようとしている

ほの暗い
ミサの静寂(しじま)のひと時に
私たちは聴く

夜空の星々が囁きあう
遥か昔のベツレヘムから
時を越え
私たちの心の馬屋に響き渡る
あの産声を  





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