降誕の夜/
服部 剛
聖夜――教会に集う私たちは
蝋燭(ろうそく)の火を一人、二人……と増やしてゆく
私たちは探している
暗闇に射す、一条のひかりを
私たちは待っている
永遠(とわ)に消えない、只一つの火を
今夜、もう一人の誰かが
自らの内に、生まれようとしている
ほの暗い
ミサの静寂(しじま)のひと時に
私たちは聴く
夜空の星々が囁きあう
遥か昔のベツレヘムから
時を越え
私たちの心の馬屋に響き渡る
あの産声を
戻る
編
削
Point
(2)