耳を澄ます (試作品)/もっぷ
ているはず たどり着いたと
産道を出てきて良かったのだと このしあわせに
そのしあわせにたどり着けずにこの寒さ ひもじさ さびしさ
まして 身の、自由の危機SOS
かなしみっていう それは なにに、でも避けがたく
森羅万象はだからみな詩としか呼びようもないのだろう
夜道に転がっている忘れ去られたちいさな釘一本にしても
歌っているから 親しいかなしみの旋律を
十二月十八日、詩は飢えをしのげない、
けれど夢にみていたトーストだとしった、なみだの味の。
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