耳を澄ます (試作品)/もっぷ
 
ているはず たどり着いたと
産道を出てきて良かったのだと このしあわせに

そのしあわせにたどり着けずにこの寒さ ひもじさ さびしさ
まして 身の、自由の危機SOS

かなしみっていう それは なにに、でも避けがたく
森羅万象はだからみな詩としか呼びようもないのだろう
夜道に転がっている忘れ去られたちいさな釘一本にしても
歌っているから 親しいかなしみの旋律を
十二月十八日、詩は飢えをしのげない、
けれど夢にみていたトーストだとしった、なみだの味の。


戻る   Point(4)