生活/這 いずる
 
落下していく朝に
沈む静寂を纏って
潜り抜ける門のうちに
待っている希望が
何でもないものだとしたら?

儚んでいる世が
そう悪いものじゃないとしたら
それはそれでよかったねと
声をかけるのだろうか

白んだ陽の光を
ふくむ産毛の泣き声が
この世を祝福しているのと
規定するのは
ここに生まれているがためだ

それでいいのと頷いた私の
汲み取ってくれなかった作品が
淋しい惨めな思いをしているの

ぷっつり途切れてしまった私が
迷子になって
ここはどこって想いが
ずっと私という人間の表皮を撫でていて
車を走らせている最中に
遠くの方まで行けたらなって思うくらい
存在なくしている
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