瞬く聖域/もっぷ
見た目に少なくとも毒はないらしい
わたしの顔立ちを思ってのこと
とにかくおまえは黙っていろとのアドバイスは
おとこ友達からしばしばもらっていた
ちゃんと頷く、そしてみんなで遊びに行った
飲み屋だったり もっと大勢の見知らぬ人々のなかへだったり
わたしは忘れっぽいし 言いたい言いたい言いたいことは
たくさんできる その場で過ごせば過ごすほど
ゆるされる時代が終わってさいわいなことに
わたしはアルコールが先天的に無理だった
つきあいからは自ら遠ざかりそしていまさびしくてたまらない
あと一つのアドバイスも思い出す
たばこは似合わないよ
老若男女を問わずに気にかけてくれたことだった
案じてもらえて それを
蹴っ飛ばしてきて いまさらどこへ、かあてもない
ブラームスの話をぶち壊してクセナキスだケージだ言う場は
失ってしまってから ブラームスのほうがよくなった けれど
いつの頃へもとくには 戻りたいとも思わない
そしていまさびしくてたまらない
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