車の名前/藤鈴呼
 
と 額の隙間に 
数え切れぬ位の 縦縞を 

刻む結果に なることぐらい
既に 承知している

それでも 
白い雪の 美しさだけは 健在で
その結果は 賢明なのであった

清々しい
言い替えれば 冷たいばかりの笑顔には
引き攣った 氷柱が似合う

切っ先が 緩めば
滴り落ちる瞬間に

涙かと 勘違いをも 
されそうだが

蛇のような カメレオンのような 蟷螂みたいな
もしかしたら 麒麟みたいな

良く 分からないけれど 
そんなシステムが 存在したでしょう

ブラックアイスバーンを 
ものともせず 止まってくれる 

ABSみたいな名前を
間違って ABCと 呼び間違えたとて

元を知らぬ相手にとっては 
全て 喜劇でしか ないんです

格好良い 留まり方なんて 
知らなくったって 良いから

駐車場の 枠組みの中に 
そっと おさまって みる

この 白い死角に 囲まれた場所が
我の 居場所で有ると
言わんばかりに

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