草稿 (即興)/もっぷ
 
『人間失格』ってあるよね
興味持てなくて、嗜みかなとは思ってるんだけど読んでない
ただ、タイトルだけ見て思うにものすごい自信家じゃないかって
ぼくなら、自分を「存在失格」としてるから
人間じゃなければ良いのかいって 尋ねてみたいね
ぼくなら、この命のすべてが間違いだった
たとえば一本の釘としてだって在るべきではなかっただろう
、そうだね 釘は大切な仕事をしているもの
それなら何に譬えたら
まさかなんにも、なんて そればっかりは云わないでほしい頼むから
それでも どうしても、やっぱりなんにもなかったのなら
きみに最後の頼みがある
ありがとうございます ありがとうございました
それだけ伝えてほしい 優しかったひとたちに
時に部屋を訪れてくれた 花たちに
いつも空腹を救ってくれた命と人智に 缶詰の缶に
泣いていないって云ったらうそになるいま
ほんとは
迷ってるとても迷ってる
こんなに泣いてる
自分のためになんかじゃないよ
もちろん、自分のためになんかじゃないよ!


(いつかのために、
 まだ、きょうではなくて。)



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