わたしたちの豚/アンテ
 
ピンク色の
豚を飼っていた
あのころ
わたしたちはいつも
豚のことで
毎日のように罵りあった

朝も昼も晩も夜中も
ブゥブゥ鳴いた
楽しいときも
深刻に話しあうときも
寝ているときも
ブゥブゥ鳴いた
あなたとわたしは押しつけあって
どちらかが仕方なく
イヤイヤ餌をお皿に盛った
豚はブゥブゥ餌を食べた

床じゅうに糞が散らばって
家じゅうに臭いがしみついて
いるはずなのに
いつのまにか
なにも感じなくなって

わたしは豚をいじめた
あなたは豚を傷つけた
毎日まいにち

あなたについてきたんでしょう
おまえが連れてきたんだろう
毎日まいにち
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