駅のホーム/
葉leaf
駅のホームには
ひとつの世界が埋葬されている
それゆえに駅のホームは
世界の墓地であり霊場である
だから今日もそこには
忘れられた眼の光や
捨てられた愛の閃きなど
あらゆる感傷的なものが訪れる
駅のホームでは
幻想がどこまでも濃くなっていき
人の暗い内側では
熱された論理が組み立てられ
人は世界を弔う一つの感傷となる
駅のホームには人が集まり
電車が停車し鳥が羽ばたく
集まってくる日常的なものはすべて
葬られた世界への供花である
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