向かう先は/坂本瞳子
 
足音が聞こえる

とても生気のない
ただ歩いている
そんな足音が聞こえる

なんのためにあるき続けているのだろうか

それはきっと前へ進むため
そこに佇んではいられないから
休んでなどいられないから

行きたいところがあるわけでもなく
したいことがあるのでもないけれど
それでもとにかく
ここで待っているだけなんて
とても耐えられないんだ

だからとりあえず進んでいるんだ

悪いことではない
楽しそうでも悲しそうでもない
喜びにも怒りにも満ち溢れてはいない

それでもただ
進み続けるんだ

終わりに向かって
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