空き缶/
はだいろ
歩道橋の下を
傘をよけて歩くとき
ヘッドライトに照らされて
めくるようによぎったのは
あたたかい思いで
ほんのすこしだけ
手を伸ばせば
届いたのかもしれなかった
誰かが
捨てられた自転車のカゴに
空き缶を投げ捨てる音がした
その空き缶の中にさえ
くぐもった思いでが
眠っているのかもしれなかった
あなたは今
どこにいるのだろう
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