ゆらぎ さまよい/木立 悟
 






雪の頬 雪の頬
おまえは触れぬ
いかずちの音
花に花に 到かぬ音


熱は奪い 熱は伝う
あえて語らぬ事のために
やすらぐ心は冷えてゆく
水の向こうを 転がる音


どこからか来る光の埃
金や緑の紙の粉たち
霧より大きく わずかに反射し
溶け込むように消えてゆく


街をすぎる鳥たちの目に
今日も言えなかった言葉が燈り
空でも地でもない場所を
迷いつづけるものらを照らす


浮き 響き
そこに無く そこに在る
羽の熱と痛みが
首に積もる


空の淵 一瞬の陽
触れては昇る音の手のひら
水に還る
はじまりに還る




























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