プレグナンツ/イシダユーリ
 


からだと
服が
千切れて
いて
眼球が
なんとか
必要な
部分を
探ろうとしている
超音波
それは
死を
みる
最先端の技術だ
コンビニエンスストア

エロ本から
目をそらしていると
窓から
 目を
 一度も
 開いたことがなかった
 恐れているんだろう
 この
 濁った
 白い
 瞼を

分厚い
ホラー漫画が
うつりこんでいる

どこまでの
千切れなら
痛みを
覚えているのか
誰かが
千切れた記憶が
街にある
けれど
誰かは
千切れずに
ただ年をとる
ふともも
おっぱい
すがりつかれる
からだ
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