ナミダノイロ/
坂本瞳子
涙が流れない
枯れてしまったのか
風が吹いても
零れ落ちない
滴ることのない雫
渇いた気持ち
渇いた心
色を付けたいほどの焦り
焦ってなどいない振りをする
そんな悦び
目蓋など閉じてしまえばいい
そして縫い付けてしまえばいい
そう
それでいい
きっと
別のなにかが見えるようになるから
戻る
編
削
Point
(4)