東京/もっぷ
 
 * * *

雪は白いから尊いのよ
透明だったら見えないでしょう
ほかの色だったら世俗を纏うでしょう

 * * *

一つの部屋では未明を迎え
東京の骨が窓辺でうたう
(白い白い骨がうたう)
ケセラセラ、
(春の種を撒きながら)
冬を堪えて
スミレを待ちなさい
きっと桜花も待ちなさい
目覚めると冬だった

 * * *

雪を待つ私の
胸元にはロケット
合金が一瞬で物語る
季節の走馬灯のように
大好きな白いアネモネが
十月に殉じたことを
解放されたね
そっとささやいて悼む
風のなかあんなにも自在だった花を想い
やはり白だ、そう思う

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