すすき野/
這 いずる
金色は広がってさわさわと揺れていた
黄金を探してかがむ君の葉だらけな頭
その黄色を見もしない
草飾りは名残をちっとも残さず
かなしく舞い落ちて行く
飾り立てられた頭を振り
滑りのいい髪をなびかせ
シャンプーの香り、光沢
天使の輪を浮かばせる、人工
月に供えられるはずのすすき畑は
コンクリートで固められて息苦しく
あぷあぷと呼吸をしている
刈られたすすき
束ねて火にくべられ
煙に乗って空に届く
酷く冷たげでさみしげに
月は光っている
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