錆と潮/
這 いずる
錆びた鍵をずっと持っていたけど
しょうがなさに心満たされて
それを海に投げ捨てた
宝箱、永遠に開けないこととした
空の目を通せば全ては空
思いは美しいが
纏わりつく感情を切り離したら
ただそうであった空虚が残る
閉じ込めたのは
波間に消える
錆と潮の匂い
わたくしはそこにいる
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