雨の中/坂本瞳子
降り積もった枯れ葉が
雨に打たれる
踏み付けられて
泥に塗れて
こんな汚れた姿を
見たかったんじゃない
頬を流れる涙は
雨に打たせて誤魔化す
寒さで凍えるように
震えて見せて
かじかんだ手は
どうすればいいのだろう
爪先はすでに感覚を失い
歩き続けることは叶わない
気を失ってしまいたいけれど
まだもう少し
こうしていなければならないみたいだ
この熱い息は自ら吐いているのか
この高い鼓動は
この熱い血潮は
自分のものなのだろうか
こんなにもまだ力強く
撃つ意味を探せというのか
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